登壇するときに最近心がけていること & CSS Niteベスト・スピーカー、いただきました
このたび、2016年度のベストスピーカーとして選出いただきました。まことにありがとうございます。Webデザイントレンドセッションが評価されてうれしいです。

つい先日、CSS Niteベスト・セッション2016が発表されました。
CSS Niteでは、2016年に38回の関連イベントと102セッションがあったとのことです。
CSS Niteベスト・セッションは、2010年にはじまり、正式には2011年から今のような形になりました。
ベスト・スピーカーに選ばれました
このたび、2016年度のベストスピーカーとして選出いただきました。まことにありがとうございます。Webデザイントレンドセッションが評価されてうれしいです。
ベストスピーカーは、2011年に一度受賞して以来、5年ぶりの再受賞となりました。
ベストスピーカーといっても、僕はグッドルッキングなガイでも、口が達者なわけでもないので、いつも一緒に出演してくださる共演者の方や、時間をかけて作りこんだスライドの助けによるところが非常に大きいです。
特にスライドになるまでの地道さはなかなかにすさまじいもので、一般的にトレンドという言葉が彷彿とさせる軽薄なイメージとはうらはらに、大変に地味なリサーチ作業と、長い間の積み重ねによって出来上がっています。そのうちこれらやってきたリサーチが身を助けてくれるのだと信じています。
で、「ベスト・スピーカーいただきありがとうございました」というコメントだけを言ってこのエントリを終わりにしてしまうと読む人にとっては「はい、よかったですね」という記事にしかならないので、スピーカーをやるときに最近心がけていることを書いていきたいと思います。
人前で話さなきゃいけなくなった誰かの参考になればと。
スピーカーをやるときに最近心がけていること
Webデザイントレンドという一個のテーマで登壇をはじめて、10年経ちました。で、当初の頃と今とでちょっとだけ変化した部分があります。 なんでしょうか? 慣れて緊張することが減ったとかそういうことでしょうか?
実は緊張は今でもバリバリします。緊張対策については後ほど書きますね。
変わったのは何かというと「どういうスタンスで壇上に立ってしゃべるか」というところです。
以前は、「僕が調べてきたもの」を「あなたに一生懸命伝える」というスタンスでセッションをやってきました。 これはこれですごく真摯なスタイルだと思いますが、長時間のセッションともなると、聴く側にしたら疲れるものです。
そこで、ある時期から「僕からあなたへ」ではなく、「僕とあなたで用意したコンテンツを楽しむ」というスタンスに変更してみました。
スタンスを変更したといっても、これは見ている人に振ったりして観客と一緒になってセッションを盛り上げるということではありません。
前と同じ、スタイルとしては従来通り出演者が話しそれを観客が聴講するという形ではあるのですが、あらかじめ作られたコンテンツ(つまりスライド)に対して、僕は答えを用意していたり、していなかったりします。
その結果どうなったかというと、僕は来ている人の顔を以前よりもよく見るようになりました。
登壇者と聴講者との関係では、コミュニケーションの情報量という点では同じ分量とはいきません。
登壇者が一生懸命話した後で、聴講者は軽くうなずいたり、首を傾げたりする程度です。ただし、これはこれで同じコンテンツを見て何かしらの反応をしあった同志ともいえるでしょう。その反応に登壇者が気づかなければ、やはりコミュニケーションが成立したとは言えないでしょう。
いつもこれがうまくいくわけではありません。時間がなくなって焦って急いでスライドを進めてしまうと、案の定観客が置き去りになってしまって、あまりいい評価を得られませんでした。
もし、登壇してみて何か観客との距離を感じたら、「壇上の自分」が「下で聞いている人」に演説するような構図になっていないかチェックしてみてください。
2016年の僕的緊張との付き合い方
緊張は嫌なものです。
なるべく緊張しない場所で生きていきたいですし、今後も生きていきたいです。
が、仕事をしていればだれか大勢の前で話をする機会はやってきます。毎年年末に行われるCSS Nite Shiftでは、ベルサールの大きなホールで400人近い人の前で話します。しかも順番は最後のほうで、イベント開始から6時間近く経ってからセッションスタートという感じです。これは緊張しますね。
それでは、僕なりの対処方法を書いてみます。今後も対処法は変化していくと思います。
まず、大前提として、緊張しいな人が緊張しなくなるということはないとあきらめましょう。心を鍛えてとかそういうことが出来る人は、そもそも緊張しいにはならないのです。
自分の緊張パターンを知る
緊張すると一口に言っても、人によっていろいろな症状が発生します。 しかし、人生を振り返ってみると、緊張すると何が起きるかについて自分特有のパターンがあることがわかると思います。
手や頬の感覚がなくなる人、おなかを下す人、手足が震える人、のどが渇く人、汗をかく人、それらの複合で発生する人などなど。 緊張するときに何が起きているのかのパターンを知ると、対処のしようもわかってきます。
例えばで挙げると、恥ずかしながら僕はおなかを下す人に該当するわけですが、この場合、体が緊張とセットになった条件反射のようになっていることがあります。
実際のところ、緊張したことがそのまま因果関係として、おなかを下すということに結びついているかというと、必ずしもそうではなく、緊張して腰のあたりにかいた汗によって冷えて下すということもあるわけです。
逆にそのあたりをあらかじめ温めるなどしてフォローしておくと、「おなかが痛くならない=緊張していない」という逆の因果関係を持つことも可能になります。
同様に、手や頬の感覚がなくなる人は血管が収縮しているわけですから、辛い物を食べてちょっと発汗してみるとかいいかもしれません。このあたりは症状と体質に応じた探りが必要になると思います。
加えて僕は医者じゃないので、見当違いなことを言っているかもしれない点についてもご了承いただければと思います。
緊張にはレイヤーがある、ということを知る
あともう一個だけ。
緊張というと、緊張の結果起きた全てを一つにひっくるめて考えてしまいがちですが、心と体を分けて考えてみましょう。 名刺交換のときに手がぷるぷる震えてしまう人というのを例に挙げて説明してみます。
該当する人は、ちょっと思い出してみてください。なかなか調子のいいときは、いつも通り手は震えているけど、意外と精神的にはつらい状態ではなかったという経験はないでしょうか?
これは体は緊張しているけど、心ではそこまで緊張していないということになります。もっとも、体の緊張が心にも影響を与えて結局全体的に緊張してしまうということは大いに起きうると思いますが。
体が緊張しているだけな状態は、ある意味いい状態といえます。あとは体をリラックスさせてあげればいいのですから。
逆に、心が不安でいっぱいな場合は短時間でなんとかするのは難しいと思っています。不安に対して、個人的に今まで一番効果があったものは、心の方向を「今の状態を楽しもう」と思えるようにすることでした。その状態にするのがそもそも難しいといえば難しいのですが。
ある緊張状態が飽和状態になりつつあるときに「もう人事を尽くしたわけだからなるようになれ」「後のことはもう知らん」みたいな方向へきれる、心のクセみたいなものを日ごろからつけるようにするのは効果があるかもしれません。
そして、この状態になるときに大きな助けになっているのが、僕にとってはもうこれ以上はやれないと言える事前準備です。
なんだかよくわからない方向へ話が進みましたが、人前で話すのが憂鬱な人の手助けになればと思います。
今後の登壇予定
最後になりますが、今後のWebデザイントレンドの出演予定を書いておきます。
3月18日に横浜にて、3月25日に大阪にて出演します。18日のほうは僕の単独版、25日のほうはレギュラーメンバーの矢野りんさん、坂本邦夫さんに加え、大阪版のレギュラーメンバーである深沢幸治郎さんとともに登壇します。
ありがたいことに、いずれももう満席となっております。
- CSS Nite in YOKOHAMA, Vol.1 powered by Wsidas(2017年3月18日開催)
- 第31回リクリセミナー「Webデザイントレンド in 大阪 2017」 - Re:Creator's Kansai
Webデザイントレンドセッションですが、日本全国様々な場所に出張いたしますし、社内勉強会やお客さんへのトレンド共有なども承りますので、お気軽にお問合せください。
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- Greative GK. 原一浩 ( kara_d )
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